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◇◇ 2021年12月28日(火) ◇◇

「吊るし柿の名産地」

 私の生まれ故郷の豊野は、吊るし柿の産地として有名です。販売用だけではなく、師走に入ると同時に、 隣近所の各家庭がめいめいに軒先に渋柿を吊るしていました。
わが家にも渋柿の木が1本あり、母親が、藁で編んだワラヒモの両端に皮を剥いた渋柿を挟み、 2階の軒先に干していました。夜寝る前に、私たち姉弟は毎晩、 まだ出来上がっていない干し柿を内緒で頂戴していました。

紐の片方の柿だけではバランスが取れず、仕方なく、両方の柿を食べざるを得ませんでした。
甘いものに飢えていた私たち4姉兄弟は、片方だけではバランスが取れない為だと、 勝手な理屈で2個とも食べるという確信犯的な仕業でした。

どう言う訳か、両親からは一度も怒られた事がありませんでした。

熊日新聞の記事。